転倒事故は「発見の遅れ」が大きなリスクになる
高齢者介護や在宅見守りの現場では、転倒事故そのものだけでなく、
「転倒後に気づくまで時間がかかること」が重大な課題となっています。
- 一人暮らし高齢者の見守り
- 夜間の介護負担
- 施設スタッフの巡回負荷
- リハビリ中の安全管理
こうした課題に対して、私たちはスマートフォン単体で転倒をAI検知し、LINEへリアルタイム通知するシステムを開発しました。特別なセンサーや高価な機器を必要とせず、日常的に使われているスマートフォンだけで導入可能な次世代見守り技術です。
AIによるリアルタイム転倒検知の仕組み
本システムでは、スマートフォンのカメラ映像から人の骨格をリアルタイムに抽出します。
骨格検出:
AIは映像内の人物に対して、以下の17箇所のキーポイント(鼻・目・耳・肩・肘・手首・腰・膝・足首)を検出します。これにより、人の姿勢・動作・重心変化を高精度に把握できます。
深層学習による転倒判定:
抽出した骨格データを、深層ニューラルネットワークへ入力。AIが時系列の姿勢変化を解析し、通常歩行・着座・しゃがみ動作・転倒動作などを識別します。
研究では、約6,000件の転倒・歩行データを学習し、
評価データに対して約94%の識別精度を達成しました。
スマートフォン単体で動作:
従来の転倒検知AIでは、高性能GPUを搭載した計算機が必要でした。
しかし本技術では、学習済みAIモデルをスマートフォンへ最適化実装することで、スマートフォン単体で骨格検出・動作解析・転倒判定をリアルタイム実行できます。
これにより、専用機器不要・クラウド依存低減・低コスト導入・持ち運び可能という大きなメリットを実現しました。
LINE通知との連携:
今回新たに、AI転倒検知システムとLINE通知機能を統合しました。
転倒を検知すると即時通知します。例えば、転倒が発生すると:
LINE通知例
🚨 転倒を検知しました
時刻:14:32
場所:居室A
対象者:利用者ID-003
のように、管理者・家族・介護スタッフへ即時通知できます。
主な活用シーン
① 高齢者見守り
- 一人暮らし高齢者
- 夜間見守り
- 家族への通知
転倒発生時に即座に気づけるため、迅速な対応が可能になります。
② 介護施設
- 居室監視
- 巡回負担軽減
- スタッフ連携
施設全体の安全管理を効率化できます。
③ リハビリ・医療現場
- 歩行訓練中の安全監視
- リスク動作の検出
- 患者状態の記録
医療・研究用途にも応用可能です。
システム構成
本システムは以下の流れで動作します。
- スマートフォンカメラで映像取得
- AIが骨格をリアルタイム抽出
- 深層学習モデルが転倒判定
- 条件一致時にLINE通知送信
- 管理画面へログ保存
この技術の価値
■ 即時対応が可能
転倒後すぐに通知されるため、発見遅れリスクを低減できます。
■ 導入コストを抑制
高価な専用センサーやサーバーが不要。スマートフォンだけで導入できます。
■ 拡張性
転倒検知だけでなく、徘徊検知・行動解析・リハビリ評価・異常行動検知などへの応用も可能です。
今後の展望
今後は、
- AI精度のさらなる向上
- マルチ人数同時解析
- クラウド連携
- Fitbit等ウェアラブル連携
- 医療・介護データ統合
などを進め、「誰でも簡単に使えるAI見守り基盤」の実現を目指しています。
AI見守りをもっと身近に
転倒事故への迅速な対応は、高齢者の安全と安心を支える重要な要素です。
私たちの技術は、“AIによるリアルタイム解析”と“LINE通知による即時共有”
を組み合わせることで、誰でも導入しやすい次世代見守りシステムを実現していきます。
スマートフォンが、「ただの通信端末」から「命を守るAIデバイス」へ進化しています。


