重心とランニング
実力のあるランナーの走りを見てみると、腰が高い位置で維持されており、重心の上下動が小さい傾向にあります。重心位置の安定化は、より良いランニングフォーム獲得に必要な要素の一つです。
重心の上下動が大きいと何がいけないのか?
重心の変動があると、無駄なエネルギー消費が生じてしまい、効率の悪い走りになります。「重心の上下動が大きくなると、地面からの衝撃や必要とされる制動力が大きくなる」(大工谷, 2002)という報告もあります。効率が悪いだけでなく、怪我のリスクも高まる可能性があります。
重心の上下動を最小限に抑えるためには
「腰高」のランニングフォームで走る!
重心を直接的に意識するのは難しいですよね。そこで、腰の位置を高く保つ(=「腰高」)ことを意識して走ってみましょう。腰が落ちている・腰が引けていると、上手く重心移動することができません。
エネルギーを上方ではなく前方に伝える!
強く地面を蹴りすぎて、上方向に跳ねるような走りになると、地面から得たエネルギーが上方向に逃げてしまいます。速く走るには、いかにエネルギーを前方への推進力に利用できるかが重要です。
サイトを使って、重心の上下動を確認してみましょう。
重心位置のグラフはこのようになりました。重心の位置が規則的に上下動していることがわかります。例えば複数の動画でグラフを比較することで、自分の重心の上下動が、過去の自分や他のランナーに比べ大きいのか小さいのかを分析することができます。

参考文献
大工谷新一. ランニング動作. 関西理学. 2002, 2: 45-47.